オークス 単枠指定・シスタートウショウ
bakhtin19880823.hatenablog.com
桜花賞では、イソノルーブルはもったいない競馬になってしまいました。
1991年オークス
で、オークスなわけなんですが、単枠指定になったのはシスタートウショウでした。もし、イソノルーブルが桜花賞で圧勝していたら、イソノルーブルが単枠指定になっていたのではないでしょうか。桜花賞を経由して、イソノルーブルとシスタートウショウの立ち位置が逆になってしまいました。
単勝人気は、単枠指定シスタートウショウが支持率4割にせまる1番人気で、忘れな草賞を勝ったツインヴォイスが7.9倍、オークストライアル(現在のフローラステークス)も取りこぼしてイマイチ煮え切らないスカーレットブーケがそれでも9.5倍、イソノルーブルは12.1倍の4番人気に甘んじていました。
人気はシスタートウショウ一本被りに近い様相でしたが……
レース内容
今回のイソノルーブルにはもちろん蹄鉄がついていたはずです。ところでイソノルーブルは8枠20番でした。今回は20頭立てなので、外側にゲートがありません。ということは外からかぶされようがないということであって、イソノルーブルが逃げを打つにはむしろ好都合な枠番と馬番。
スタンド前の直線で一気に内に切れ込んで、今度こそハナを切るイソノルーブル。
2番手はベルベットハニー。メジロロベルタ・イイデスパークが続き、フローラステークスでスカーレットブーケを下しているヤマニンマリーンが好位置をとったのですが、最終的に故障を発生し競走中止してしまいます。インの5,6番手にトキオアルテミス、その直後で内ラチ沿いで脚を溜めるはノーザンドライバー(6番人気)。
ノーザンドライバーの外にツインヴォイス、8番手ですが20頭立てなら好位といっていいでしょう。それをマークするようにスカーレットブーケがいて、スカーレットブーケの内に潜り込むようにヤマノカサブランカ(評価は上がらず10番人気)がいて、大体ここが中団でありまして、スカーレットブーケとヤマノカサブランカの後ろはごった返しているのですが、シスタートウショウがなんと後方から3番手。
3コーナー。今度は2番手がイイデスパークになって、ツインヴォイス、スカーレットブーケあたりがじわじわ動いていきます。この時ノーザンドライバーはインの5,6番手。シスタートウショウが画面にうつりません。
4コーナー入り口で、シスタートウショウがかなり外側を回って追い上げていきます。それでもまだ中団の後ろのほうで馬群の切れ目…
4コーナーのカーブでは、馬場の6分どころを回っているシスタートウショウ。
現代競馬では、なかなか、馬場の真ん中から外を回って追い込む、という戦法は見られません。この時代だと、フレッシュボイスが安田記念で外ラチに近いところからニッポーテイオーを差し切っていたと思います(1987年)。それにしても角田晃一には、確信があったのでしょうか。どれだけ距離ロスをしてもシスタートウショウの能力なら差し切れる、という確信が…
直線入り口、ツインヴォイスが外の3番手、スカーレットブーケが外の4番手で、イソノルーブルにプレッシャーを与える。競輪の『押さえ先行』みたい…ですが、意味合いが全然違います。それはいいとして、残り400mでズラリ横に広がった馬群。
スカーレットブーケの手応えがよく、一瞬イソノルーブルを交わしているように観えるのですが、脚が一杯になったのか? タレて今度はツインヴォイスがイソノルーブルに襲いかかる。
ツインヴォイスとイソノルーブルの脚色はほとんど同じに見えても、1馬身前のイソノルーブルが非常にしぶとく、ツインヴォイスもイソノルーブルを交わせません。
そこに、究極の大外ぶん回し競馬のシスタートウショウが強襲、初手があんな位置取りだったので当然上がり最速だったんですが、イソノルーブルとほとんど同時にゴール。
結局シスタートウショウは1番人気を裏切る形になったわけですが、2着には来たので、単枠指定の務めは果たした、とはいえる。
ただ、角田晃一の乗り方はどうも賛否両論だったようで、もっとも賛否両論だったというソースは無いのですが、最近になってこのオークスのレース映像を観るたびに、「ああ、賛否両論だっただろうなあ、こういう乗り方は」と思ってしまう自分がいる。角田は当時二十歳のあんちゃんで、そういう立場だったから叩かれやすかったのかもわからん。
未だに、このオークスにおける角田の騎乗は、僕の中では、賛否どっちかの決着がついておりません。
91年オークスは『裸足の女神』イソノルーブルの復活の逃走劇として語られるパターンが非常に多かった。僕はこれがステレオタイプだなあと思ったので、今回はシスタートウショウと二十歳のあんちゃんだった角田晃一に重きをおいて語ってみました。